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拝啓大学殿~上智大学編~

往信

●貴学の神学部、文学部、外国語学部の一般入学試験では1次、2次の2回に分けて試験を行っていますが、忙しい受験日程の中で、他校との併願を考えて受験を断念する生徒が多数いるものと思われます。1次、2次に分けて試験を行うのはなぜでしょうか。

●指定校制入試において、「評定平均値」「外国語検定試験」などのいくつかの基準があり、これらすべてを満たすことが受験資格になっています。他学では、いくつかある基準のうちのどれかを満たせばよいところもあります。すべてを満たさなくてはならないのはどういう理由からでしょうか。貴学が設定している基準の理由をお聞かせください。
(浦和明の星女子高等学校 清宮 宏 先生)

●早稲田大、慶應大に比べて推薦入試を重視しているように見受けられますが、いかがですか? 推薦基準に「評定平均値」以外に「外国語検定試験基準」がありますが、どのような理由からでしょうか? またAO入試・センター試験利用入試は導入されていませんが、どのようなお考えからでしょうか?

●高大連携として、高校生が大学の講義を大学に赴いて受講する制度のようなものを検討されてはいませんか?

●言語教育でユニークな「CALL」がありますが、その開発意図と現状をお聞かせください。また留学にも力を入れておられるようですが、学部によって差異があるのでしょうか。

●上智大学というと、どうしても文系のイメージが強いのですが、理工学部をさらに発展させるような構想はおありでしょうか。
(富士見高等学校 原 幸三 先生)

●貴学では、定員に対して推薦入試の占める割合が高いという印象を持っています。そのため、実力ある生徒でも一般入試試験を敬遠してしまう傾向があるのですが、推薦入試の占める割合が高いことの影響をどのようにお考えですか。

●これからは生徒が意欲的な学生生活を送るためにも、明確な目的意識を持ったうえで、大学や学部を選ぶことが必要になってくると思われます。本校では、大学の先生をお呼びして進路講演会を開き、学部・学科の概要などの話を生徒に聞かせていますが、貴学では高校への出張講義などはされていますか?
(サレジオ学院高等学校 斎藤旬司 先生)

返信~上智大学 学事部次長兼入試課長 寄田義和
学科に対する適性を見極め、より丁寧な入試を継続しています

上智大学でも入試制度を検討する機会は、何度も設けています。そこで主眼となるのは、本学を第一志望とする生徒さんになるべく多く受験してほしいということです。

志願者数を増やすにはどうしたらいいか、という考え方はしていません。もちろん、志願者が減ってしまうのは困りますが。「上智で学びたい」という強い希望を持っている方に来ていただきたいということが、第一義なのです。3校の先生方とも推薦入試についてのご質問があったのも、このことと無関係ではないと感じています。

浦和明の星女子高等学校の清宮先生のご質問ですが、挙げられた3つは、学科試験だけでなく面接を行うことによって本学の学科に対する適性を見たいという意向が強い学部です。また、そのほうが入学後の学生にとっても、期待がはずれることがなく、双方にメリットがあると考えられます。

確かに他の大学と入試日程が重なって、欠席せざるを得ないということもあるかもしれません。せっかく1次を突破して2次の受験資格がありながら来られないというのは、残念だとは思いますが、今のところはやむを得ないことと割り切るより仕方ないのが現状です。

学部によっては1次のみのところもありますので、今後変わっていく可能性がゼロとはいえませんが、より丁寧な入試をしているということで、こういう入試をやりたくてもできない大学があるなかで、本学は継続してできているという認識です。

「本学を第1志望とする優秀な学生に来てほしい」が大原則です

また、指定校制の推薦基準についてですが、まず募集の趣旨は「本学を第1志望とする優秀な学生を集め、教育研究のレベルを維持したい」というのが第一なのです。そのためには、ある程度のレベルの方に入学していただくことが大事になってきます。

指定校の場合は、とくに学校長の推薦を受けて応募しているということで、ほとんどの方が合格されます。そういうことから、最初からハードルを下げることはできないのです。評定平均値にしても、他大学より少し高いかと思いますが、やはり本学を第1志望とする優秀な学生を集めたいという趣旨に沿って決められているわけなのです。

サレジオ学院高等学校の斎藤先生、富士見高等学校の原先生には、推薦入試の占める比率が高い、他大学より重視しているのでは、というご質問をいただきました。実際には、そういうことはありません。以前は定員の3割とされていましたが、文部科学省の指導で定員の5割までは推薦入学でいいということになりました。

それで、本学でも文系の学部については3割、理工学部は5割を目安にしています。この数字は、本学が際だって高いわけではなく、他大学と変わらないでしょう。ただ、学科ごとの定員そのものが多くないため、一般入試枠の実数が少なく感じ、そういう印象を持たれたのかもしれません。

富士見高等学校・原先生のご質問のAO入試については、過去に何回か導入の検討はしていますが、今のところは見送るという結論で現在に至っています。それには2つの理由があります。まず第一は、本学には公募制推薦入試制度があります。これは、事前レポートを出してもらったり、面接や学科試問を行ったりしていますが、他大学で同様な入試をAO入試と称していることもあるので、すでに実績はあるともいえるからです。

第2に、これまでのAO入試をみていると、高校の現場であまりいい評価を得ていないという印象があります。早期に合格が決まってしまうと、それ以降の通常の高校の授業に身が入らないとか、さまざまな弊害があるようで、その対策を考えなくてはなりません。

またそれ以外にも、学生の選抜を学部の先生方から離して、別のところにオフィスを設けて実施するという純粋な意味でのAO入試は、業務上の負担からいっても難しい状況です。

センター試験については、導入はしないという結論です。センター試験を導入すれば志願者数は増えるでしょう。しかし、合格しても入学しない方が多いということになると、本当に本学を第1志望とする学生をとることが難しくなります。将来的にもセンター入試導入の意向はないといっていいでしょう。

高大連携には慎重な取組みが必要です

サレジオ学院高等学校・斎藤先生のご質問ですが、高校への出張講義につきましては、件数は少ないですが行ってはいます。これまでの例でいくと、外国語文学や社会福祉の分野での依頼が多いようです。

ただ、制度として整っているわけではありません。講師料や諸経費の負担はどこがするかなど、曖昧な問題が多々ありますし、授業期間中ですと、学内の講義が最優先なのはいうまでもありません。講義のテーマや先生について、具体的にリクエストいただいて、学内で調整がつけば実現は可能です。その際、すべてのオファーに応じられるわけでもないということは、あらかじめご了承ください。

高校生が大学に来て講義を受けるということは、年に2回オープンキャンパスでの体験授業の機会を設けています。富士見高等学校・原先生のご質問は、もっとつっこんだものだと思いますが、これについては、制度としてつくるのは難しいところです。
最近では、高校生に単位を与える大学も出てきていますが、青田買いではないかという見方もあります。高大連携なのか、大学の広報活動なのかという線引きも必要ですし、今のところは、本学の学生に対する授業を最優先にするということです。

真の国際人を育成すべく高度な語学教育に取り組んでいます

CALLは、"Computer Assisted Language leaning"の略で、コンピュータを外国語の教育・学習に活用するシステムです。これまでのような「受け身」ではなく「個別型、参加型・発信型」の授業を可能にする教材はつくれないかということから始まりました。プロジェクトは、1998年からスタートしました。

本学オリジナルの教材をつくろうということで、趣旨に賛同した学生のグループと教員と共同で教材づくりを行っていることが特徴です。現在は、英語、フランス語、ドイツ語、イスパニア語の教材が完成しています。

留学に関しては、現在、交換留学協定を世界の大学110校と締結しており、年間約200名が交換留学生として海外に出ています。留学先は、アメリカがメインです。

留学制度については全学部の学生にオープンされていますので、希望があればどの学部の学生でも行くことができますが、やはり外国語学部の学生が多く、英語学科では3人に1人の割合で留学しています。最初からそういう目的で本学に来ている学生が多いのでしょう。また、ポルトガル語学科なども留学率は高くなっています。

理工学部については、将来計画委員会を設置して検討を進めている段階です。委員会では理工学部の教育研究の充実発展のために必要なものとして、情報科学と生命科学の2つの分野の強化が必要であると認識しています。今後、どのように発展させていくかということについては、まだ発表できるような状態にはないのですが、将来的に発展させるべく動いているところです。

大学改革提言誌「Nasic Release」第9号
記事の内容は第9号(2003年11月30日発行)を抜粋したものです。
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