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グローバルな人材の獲得が企業の命運を分ける時代
パナソニック株式会社 グループ採用センター
チームリーダー 柿花 健太郎
社名を改め、名実ともにグローバル企業として躍進するパナソニック株式会社。「GP3」と称するグローバル戦略を推し進め、外国人留学生はもちろん、グローバルな人材採用に力を入れている。人事体制や仕組みも、グローバルを軸に積極的な見直しが進められているところだ。
グローバル戦略で人材の獲得を強化
当社は、2007年から2009年までの三カ年計画として、Global ProgressGlobal ProfitGlobal Panasonicsをキーワードに、「GP3」と呼ばれるグローバル戦略を進めている。
採用においては、1980年代よりすでに欧米系の学生を中心に外国人の採用を行ってきたが、さらに2003年からはそれ以外の地域にも採用の網を広げ、欧州、米州、中国、アジアにリクルート拠点を開設し、日本本社を加えた世界五拠点で採用をサポートする体制を整え、グローバルに優秀な人材を確保する仕組みづくりを行ってきた。
そして、海外法人や、海外拠点での現地採用も推進し、日本での外国人採用に関しても、通常の定期採用の他に、世界の大学より現地の学生を一定期間職場で受け入れるグローバルインターンシップや、経済産業省と文部科学省が進めているアジア人財資金構想にも積極的に取り組んでいる。
グローバル企業としての体制と仕組みづくり
外国人の採用を強化してきた背景には、当社のグローバル戦略がある。当社は、売上の半分が海外販売であるが、これはグローバルで事業をする企業としてはまだ決して高いとは言えない状況だと考えている。
世界のグローバル企業と言われる企業は、世界を舞台に競い合っており、このような中、パナソニックがまさにグローバルエクセレントになる挑戦権を得るためには、日本と海外でさまざまな体制や仕組みを見直さなければならない。
人事体制や仕組みもグローバルを軸に見直しを進め、現地会社の経営や商品の設計の現地化も進めるとともに、国内でも、外国人の採用を拡大するなどして内なる国際化を図っている。まさにグローバルでいかに優秀な人材を確保できるかを日々考え、取り組んでいるところである。
その国の人がその国の製品をつくるのが理想
グローバルに通用する商品を生み出し、事業を行うには日本人だけではなく、グローバルで多様な人材を獲得し、世界中の人たちの英知を集めることが大事だと考える。
文化や教育の背景がまったく異なる人材が集まって、膝をつき合わせて喧々囂々と議論する中から、日本人だけでは生まれない新しい発想が創造される。
まさに異なる教育、文化に育った者同士が互いに「知恵の輪」を結び、各々の知恵を出し合い続け、新たな技術や商品、サービスを無尽蔵にスピーディーに生み出すことが、このグローバル競争で勝っていくための条件になるといえる。
先述の通り、いままでは、多くの海外向けの商品は日本を主体に各地域向けの設計を行い、それぞれの仕様に合わせた商品を開発してきた。しかし、その国で販売する製品は、やはりその国の文化や生活習慣を体得した人が商品を設計し、販売していくのがベストだと考える。
幸いにも昔と比べて、現地の部品メーカーの技術力やモノづくりの生産力・精度は格段と向上しており、優秀な技術者も育っている。そうした環境変化を活かし、現地の部品メーカーから質のいい部品を調達し、現地の人が現地の好みに合わせた商品を設計する方が、結果としてコストも安く、早くよい商品がお客様にお届けできるはずである。
実際に、中国で2005年に発売したドラム式洗濯機のケースは、中国人スタッフだけで開発した製品でヒットした。
中国現地法人の「くらし研究所」というセクションに所属している技術者の女性スタッフが、中国の家庭を調査し、洗濯機を置く場所、使っている水の質、洗い物の量や素材といったことを徹底的に調べ上げ、現地の開発設計技術者と連携しつくりあげた商品である。
実は、調査を担当した女性スタッフも、設計した技術者も、ともに日本に留学し、日本の高い技術を習得した経験があった人だったのだ。
人事慣行の違いは必ず乗り越えられる
グローバル採用を積極化していく中で、いくつかの課題も浮き彫りになってきている。
たとえばその一つにキャリアアップの考え方に、大きな隔たりがあることだ。日本採用の外国人社員にとって、日本的な長期的視点でのキャリアプランを考えることはなかなか難しい。
パナソニックでは入社してから数年は、徹底的に実務の経験や現場の経験というステップを踏む。しかし、外国人社員の中には「すぐに実績を出して、早くマネージメント職に携わりたい」と希望する社員も多くいる。当社としては人材育成の基本精神は守らなければならないし、またキャリアを重視するグローバルスタンダードも蔑ろにすることもできない。
また外国人社員には、できれば60歳の定年まで働いてほしいところだが、中には、将来的には、日本で技術を習得して自分の国の産業育成に貢献したいという社員もおり、こうした想いも、ある意味大切にしたいと思う。そして母国に戻ったとしても、ぜひパナソニックの現地会社に就職してほしいと思うのだ。そうすれば、彼らが日本の技術のキャッチャー役になれるし、高い技術を移植すれば、日本人が出向していかなくても、彼らが設計図を書き、日本で学んだモノづくりの精神を伝えてくれるはずだからだ。
お客様の「お役立ち企業」としてさらなる展開を
端的に当社の目指すところをまとめてみると、大坪文雄社長の言葉で「入り交じる」ということにつきるかと思う。赤は赤、青は青、それぞれの色を持ちながら、互いを認め合い、各々の強みや個性を生かしていく。
これが、グローバル化の効用であり、それぞれの文化や考え方が入り交じり、新しい付加価値が創出され、世界の中で33万人の社員が同じパナソニックのバッジのもと、求心力をつけ世界のお客様のお役立ちに貢献していくのだと確信している。
柿花 健太郎 Kentaro Kakihana
1990年、松下電器入社。91年~93年、海外トレーニーとしてアメリカに留学。93年、松下通信工業株式会社本社人事部国際人事チーム配属。96年、同社AVシステム事業部労政・福祉担当主任。98年、松下電器産業株式会社欧州本部人事課主事。2003年、同社国際人事センター欧州本部・北米本部・中南米本部人事担当参事。05年、同社本社グループ採用センターグローバル採用チームチームリーダー、(兼)定期採用課長。07年より現職。
記事の内容は第18号(2009年1月1日発行)を抜粋したものです。
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