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「学生の支援」を第一義の使命として

企業とは営利を生むために存在するものであるが、近年多発する企業の不祥事は、営利を第一義として社会正義を失ったことがその原因と考えられる。
学生情報センターグループは、学生を育て、支援するという使命を第一義とし、健全な経営を心がけながら、社会に求められる企業として成長していく道を追究し続けている。

学生対象事業に取り組むまで

学生情報センターが産声を上げたのは、1975年11月のことである。創業者である北澤俊和は、勤めていた会社を退職した後、営業社員として信頼関係を築いていた得意先の方々から依頼される形で「北和建設」の名で起業した。

北和建設は現在、学生情報センターのグループ企業として、学生マンションのみならず教育関連施設や医療福祉施設、商業施設等での数多くの実績を重ね、技術力、財務力双方を兼ね備えた全国でも屈指の地位を築いている。

北澤の事業が大学との距離を縮めたきっかけは、同志社大学が86年に京都府田辺町(現京田辺市)にキャンパスを開設したことであった。
このキャンパス計画が発表された84年当時、田辺や宇治地域に学生向けのアパートやマンションが全くなかったことに着目した北澤は「学生マンションを計画・提案して、北和建設で建築から建物管理まで一括して受注する」というビジネスモデルを確立し、同社を発展に導いたのである。

その後、88年には「学生情報センター」を設立し、名古屋に進出を果たした。バブル崩壊後の荒波にも守勢に回ることなく、京都と東京、大阪に展開する積極果敢な事業戦略によって、今日の学生情報センターグループの基盤骨格を確立した。こうして学生マンションに特化した事業を展開しながら、学生情報センターは、同社の向かうべき道を見出し、大きな目標に向かって歩を進めることになる。

教育の場としての学生マンション運営

学生情報センター(NATIONAL STUDENTS INFORMATION CENTER=略称NASIC)が掲げた独自の目標とは「ナジックマンションは一つの教育機関である」という立場に立ち、入居する学生に対して「安全」と「安心」を「愛情」をもって提供していくことであった。

言い換えれば、単なる住居提供事業にとどまらず、さまざまな取組みを通じて学生を力強く支援し「教育環境創造企業」を目指していく、という事業目標を打ち出したのである。

「学生マンションでの一人暮らしのスタートを、社会人の第一歩」と位置づけ、入居学生に対して、ゴミの出し方、共同生活のルール、近隣とのつきあいやマナー等を指導したり、入居後も社員がマンションを巡回し、トラブルや事故、そして夜間や休日の火災等の緊急災害時においても、親身になって学生を守っていくという企業カルチャーやサービスの品質を地道にコツコツと向上させてきた。

また、毎年5月から6月にかけて、東京、京都、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台で「ウェルカムパーティー」というイベントを20年間毎年開催している。
ナジックが主催するこのパーティーには、新たに学生マンション事業をスタートいただいたオーナー、新入居の学生、学校関係者、企業人など全国八会場で数千名を招き、学生同士はもちろん、オーナーと学生との交流が促進され、学校関係者間の情報交換の場としても活用されている。

この新しいユニークな交流の場は、一人暮らしに不安を持つ学生の「5月病」を防いだり、オーナーとの交流を通じ社会人としての第一歩を踏み出した学生には貴重な体験となり、毎年大きな成果が得られている。これも、ビジネスを度外視した取組みの一つと言える。

さらにナジックマンションに入居した学生には「ナジッククラブ24」のサービスが提供される。これは、入居学生をあらゆる面から24時間365日ケアしていくシステムであり、設備トラブルへの対処、医療機関の紹介、ストーカーやセクハラの相談受付、保険サービス、就職支援など、一人暮らしの学生を手厚くサポートする体制が整っている。

このように、学生情報センターでは、安心して過ごせる安全な環境を確保しながら、愛情をもって学生を育てていけるよう、グループ全体で努力し続けているのである。

大学へのソリューション事業

学生への数々の支援と並行して、大学とのコラボレーションも進めている。その代表的なものは、大学の「下宿紹介業務」を一括して請け負うことだ。大学側からすれば、煩雑な業務のアウトソーシング化が進むことになる。これは98年に、千葉工業大学から「下宿紹介業務を全面的に引き受けてもらいたい」との打診を受けたことに始まっている。

学生情報センターでは、同大学に登録されている下宿の物件概要を一軒ずつデータ化してコンピュータに取り込み、下宿相談会を開催するなど、学校の業務の効率化と学生、家主さん双方へのサービス向上に繋げた。

自社の物件を優先することなく、ほとんどボランティア同然のコストで、常に学生の視点に立ち、学校や保護者のみならず学校と長年関係の深い家主や不動産業者からも確固たる信頼を勝ち得たのである。その後、立命館大学、同志社大学、東京理科大学、明治大学と「下宿紹介業務」を大学から一括して引き受ける新事業は、順調に拡大していった。

学生情報センターと大学との提携は、基本的に「課題解決型」であり、立命館大学との提携はその典型である。立命館大学が、理工学部などを滋賀県草津市に移転した際、周辺地域に学生のための住居が必要となったが、バブル期の影響でサブリース方式で学生マンションを開発する地元等の開発業者が乱開発を行い、結果的に学生や保護者の負担を増大させる家賃の高騰を招いてしまっていた。

これでは立命館大学の新キャンパス構想そのものに影響を及ぼすと危機感を持った大学と共同し、家賃を低く抑え、かつ「安全」で「安心」な高品質のサービスを学生や保護者に提供し、同時にマンションオーナーの利益にも配慮し、マンション開発を展開するという難題に果敢にチャレンジしていった。

大学も、学生や保護者への支援とともに地元の方にも配慮するため、これらマンションを優先的に推薦、紹介し、結果として他のマンションも家賃を下げざるを得なくなった。ナジックと大学が協力し合って、すべての状況が理想に近づいた好事例と言えるだろう。

学生、学校への各種の支援活動

これらの取組みが大学からの高い評価に繋がり、近年は大学の寮施設等の管理業務にまで展開するようになり、2005年、九州大学伊都キャンパスでのPFI事業による学生寮や食堂等の学生支援施設の運営管理に乗り出した。その後、国立大学では広島大学、名古屋大学、東京藝術大学等に、また私立大学においても、明治学院大学、南山大学、同志社大学、関西大学、広島国際大学、福岡大学等へ急速に拡大していった。

さらに近年の取組みとしては、留学生支援の分野にも積極的に展開している。早稲田大学では、交換留学生の宿舎等に関する支援業務を早稲田大学留学生センターから委託された。

また、多摩エリアの40大学・短大、九自治体、34企業団体で構成される社団法人学術・文化・産業ネットワーク多摩では、留学生支援事業の一環として「留学生・研究者宿舎開発プロジェクト」を発足させ、ナジックが事務局として運営を支援している。

また、行政や企業、住民等の地域社会と学生・大学の連携を支援する活動も行っている。名古屋では名古屋市と名古屋大学はじめ市内六大学、企業が連携し、学生を主体として地域との連携を目的とした環境イベント「We love NAGOYA 2007」。

関西では、京都大学、大阪大学、神戸大学が歴史上初めて連携し、関西から世界で活躍する人材を育成し、世界に向けて「知」を創出し、発信していく「第一回大阪大学・京都大学・神戸大学連携シンポジウム」の実現に大きく関与した。神戸でも、ポートアイランドにキャンパスを開設した神戸学院大学ほか四大学連携の開設記念イベント「ポーアイ学びライブ」。

福岡では、九州大学、福岡大学はじめ福岡都市圏の大学と福岡の魅力を高校生にアピールする、福岡市と17大学・短大主催の「ふくおかで学ぼう2007」を支援してきた。

また、学生のキャリア育成においては「株式会社ナジック・アイ・サポート」において、有給型インターンシップ「ワークプレースメント(学生派遣)」を中心に、安全で良質な就業体験を通じた社会人基礎力の育成を推進している。2003年より開始の学生課のアルバイト紹介業務をWEB化した「学生アルバイト情報ネットワーク(aines)」は、安全で良質なアルバイト情報を大学のHP等から紹介するシステムで、業務内容を大学規定に基づき徹底して審査、運営する方式が評価され、全国で127大学、利用対象者112万人にまで広がっている。さらに、若手研究者(ポストドクター)の就職問題に関して、京都大学から委託され、ポスドク専用の就職マッチングウェブシステム「研究人材データベース(仮)」を開発した。

そのほかに、ナジック・アイ・サポートでは、大学事務業務支援として、名古屋大学で公開講座の運営や大阪大学で学生教育研究災害傷害保険の入金照合事務等も行っている。

そして「株式会社ナジック教育ソリューション」では、学内業務のコンサルティングを行っており、モバイルを使って災害時に学生の安否が確認できる安否確認システムや、休講情報、出欠管理ができるモバイルポータルサイト等、大学独自のモバイルシステムを効率よく構築できる大学向けASPシステム「モバイルキャンパス」を展開している。

また2003年4月に設立された文部科学省高等教育局所管の「財団法人学生サポートセンター」では、北澤が創業以来掲げてきた「学生のため、学校のため」の理念を具現化する活動を、北澤自らが理事長に就任し展開している。学生のモラル向上のためのモラル・マナーセミナーや、学生ベンチャーやボランティア活動の支援などを通じて、学生の人格教育にも取り組んでいる。

また、留学生支援として「日本ベトナム留学生情報センター」を開設しており、ベトナムの大学への日本の大学の情報提供やベトナム人学生を日本に招聘し、東京大学等への公式訪問や交流会開催を毎年行っている。

これらの事業は、すべて「教育環境創造企業」という立場から発想し、発信しているものである。学生情報センターグループは、教育関連事業を推進し、次代を担う学生を支援し続けることで、企業としての社会貢献を果たしていこうとしているのである。

大学改革提言誌「Nasic Release」第17号
記事の内容は第17号(2008年6月1日発行)を抜粋したものです。
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