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確かな経営戦略で少子化時代をリードする
コンピュータ教育を主軸とし、企業の即戦力となれる人材を育成することで、優れた実績を上げる東北電子専門学校。その校舎である15階建てのモダンなインテリジェントビルは、宮城県仙台市の中心部にある。少子化時代にあって、グローバルな視点に立った画期的な改革で進化し続ける同校の運営方針について、理事長の持丸寛一郎氏に語っていただいた。
学校法人日本コンピュータ学園
東北電子専門学校理事長
持丸寛一郎
最新技術を授業に導入する態勢を確立
――東北電子専門学校には、東北地方全域から多くの学生が集まっているとのことですが、まずは教育内容の特色についてご説明ください。
持丸理事長(以下敬称略)1966年に、「東北電子計算機専門学校」という名称で創立して以来、常に電子技術分野を中心とする最新の教育を施し、「即戦力」となれる人材の育成に力を尽くしてきました。
現在本校では、ビジネス、IT、ゲームやCG、音楽・音響・映像、電気工学、デザイン、建築など、現代社会のニーズと合致した幅広い分野の学科・コースを設定しています。地上一五階建てのインテリジェント校舎には、インターネットに接続した実習用のパソコン1,300台を用意し、音響・映像スタジオ等も含め、最高の学習環境を整えています。
そして、高度な技術を身につけた学生たちには「専門士」あるいは「高度専門士」の称号を付与し、技能を有する立派な社会人となるよう、育成しています。
――常に最新であり続けることは容易ではないと思われますが、どのような態勢で運営されているのでしょうか。
持丸 ご存じの通り、コンピュータの世界は、技術革新がめまぐるしく、ソフトウェアもわずか二、三年で最新バージョンに置き換えられる時代です。しかし、我々のような教育機関は、企業の最前線で必要とされている最新技術をリアルタイムに教えられる態勢をつくらねばなりません。
そこで本校では、「産学連携教育」によって、企業それぞれのノウハウによるカリキュラムをダイレクトに採り入れ、教育プログラムを展開しています。
例えば、バンダイナムコ社との提携では、実際に現場で活躍している開発スタッフを講師に招いて、最新のゲーム技術に関する授業を実施したり、あるいはマルチメディアコンテンツスクールとして実績のあるデジタルハリウッドとは、同校の教育ノウハウをベースに最新のCG技術を学べるようにしてきました。
また、マイクロソフトやオラクルといった世界的ベンダー企業との教育連携では、それぞれ自社製品についての知識や技術を認定する、いわゆるベンダー資格取得にも積極的に取り組んでいます。
このように、今、コンピュータ関連の最先端を担っている企業をはじめ、さまざまな提携先が持っている最新技術を、学生たちはリアルタイムで身につけられるわけであり、本人にとっては、就職活動を行なう際、即戦力としての優位性を発揮できることになります。
別の見方をすれば、そのときそのときの最も新しい技術に関しては、内部で教員を育成している時間がないとも言えます。しかし、現実問題として、こういう方法によらなければ、すぐに時代から取り残されてしまうのが、今の教育現場の実情なのです。
ですから、我々は常にアンテナを張って、最新の技術教育を導入できるよう努力しており、またそうした態勢を教育機関の中に構築できているかどうかが、非常に重要な課題と言えます。
すなわち、外の世界と学校との間に壁をつくって、その中で「これを勉強せよ」という姿勢ではなく、障壁を取り払い、社会と教育機関との間を常に行き来できる環境をつくらねばならないと考えています。
専門学校が大学と大きく違う点は、まさにここではないでしょうか。専門学校では、一般的に、二年間で約2000時間という、大学よりもかなり多い授業数を設定していますが、その中で、凝縮された効果的な教育をしっかりとやっていかねばならないのです。
――教員のレベルアップについては、どのようなことに取り組まれているのでしょうか。
持丸 ここでも壁を取り払うことが重要です。教員を育てるためには、学外の世界に出すことが重要だと考えています。本校では、教員を大学に派遣し、授業を行うことを経験してもらっています。
大学で教えるとなると、やはり相応のレベルを求められますから、本人たちは非常に努力しますし、また、そうした方針を理解してレベルアップできなければ、成果を上げることは難しいでしょう。
拡がり続ける専門学校の役割
――少子化が進み、大学全入時代が到来していますが、専門学校を運営される立場として、現状をどう認識され、いかなる対策を考えておられますか。
持丸 全入時代といっても、単なる数字合わせであって、実際に高等学校の進学希望者が全て大学に進学するという話ではありません。
大学の四年間で研究等を通じて身につける教養と、専門学校の二年間で身につける専門技術は全く異なるものであり、卒業後に就く仕事も違うわけですから、それぞれの教育機関が求める人材はもともと違います。
ですから、大学と専門学校は、本来はっきりと「住み分ける」べきなのです。
昨今は、大学が専門学校的な授業を取り入れる傾向がありますが、専門学校なら二年間で学ぶとしたら、大学で4年間も費やして学ぶのは、学生や家庭にとって、資金も時間も無駄になるのではないでしょうか。
将来、企業のマネジメントに携わる人材は、大学で学んだことをもとに、就職後も、企業が年月をかけて育てていくべきでありましょう。しかし、今の企業は、技術を身につけた即戦力を必要としているわけですから、専門学校としての存在価値や意義はこれからも継続していくはずであり、だからこそ住み分けが重要と言えるのです。
――これからは、専門学校同士の生き残り競争も激化すると思われます。
持丸 その通りです。我々はその中で、いわゆる「勝ち組」に入らねばならないと考えています。そのためにどうすればいいのか、教育環境の整備から教育体制のあり方、資格や就職への取組みなどを含め、いわば「学校力」なるものを強固にしていくことが肝要と考えています。
一方で本校の専門分野では、自動車や家電製品などで大量に使用されているコンピュータに必要な、いわゆる「組み込み系ソフトウェア」に関して、開発技術者が10万人も不足していると言われており、今後も、こうした情報処理やIT分野のニーズはさらに高まると思います。
こうした人材育成こそ専門学校に求められるものであり、我々はこれからもしっかりと時代を捉えて、社会に貢献しえる人材を送り出していきたいと考えています。
また少子化の時代、これからの専門学校は国内だけでなく、海外へも目を向けなければならないでしょう。
今、インドを中心として、アジア圏のIT産業は目覚ましい発展を遂げていますが、我々はこれに着目し、アジア圏からの留学生の受入れ態勢も構築しています。
グループ企業として、「仙台日本語国際学校」が同じ校舎内にあり、現在、インドや中国、韓国、モンゴル、ネパールなど、さまざまな地域から学生が集まっています。ここで学んだ人の多くが東北電子専門学校に入学して、専門技術を習得して日本の企業等に就職する道を歩んでいます。
これからは、さらに高度なITスキルを身につけさせて、アジアの経済発展に貢献する人材を育成していきたいと考えています。
今後も、時代をリードする勝ち組の専門学校として歩んでいけるよう、進化を続けていくつもりです。
記事の内容は第16号(2008年1月1日発行)を抜粋したものです。