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「新しい産学連携教育の形」を目指すキャリア開発プログラム
大学が研究と教育だけの場所である時代は終わった。
ここでは、大学の特色として「もう一つの柱」を立てるべく、さまざまな取り組みに果敢に挑戦している事例を紹介しよう。
「新しい産学連携教育の形」を目指すキャリア開発プログラム
~グローバル時代の「即戦力」を育てる~」
今やどの大学でも当たり前となった海外留学制度。
しかし、その経験を社会に出てから実際に活かせている例はごくわずか……。
勢いづくアジアの大国・中国への、他大学に先駆けた留学プログラムで、国際人の育成に力を注ぐ亜細亜大学に本来の意味での「留学の意義」を問う。
加藤伸吾氏
魅力的な中国留学プログラム 「アジア夢カレッジ」の開設
近年、中国はめざましい発展を遂げ、アジアのみならず世界経済の中で存在価値を高めている。これからのビジネスは中国なしでは語れないことは言うまでもない。
亜細亜大学(東京都武蔵野市)では産学連携教育の一環として2004年4月に「アジア夢カレッジ―キャリア開発中国プログラム―」を開設した。「夢カレ」と呼ばれるこのプログラムは学部の枠を超え、4年一貫でアジア教育を行うプログラムである。
カリキュラムには半年間の中国留学が組み込まれており、留学先の大連(大連外国語学院)では語学、文化を中心に学ぶのだが、驚くのが、留学中に1カ月間、インターンシップ制度を取り入れていることであり、学生が現地の日系企業で共に仕事を体験するという。
同大学によると、「夢カレ」で学びたいがために入学を希望する学生が増えてきているということだ。
協賛企業とつくり上げる 充実したプログラム内容
「夢カレ」は少人数制で実践的な教育を行うことで、社会で即戦力となる学生を育てることを目的としている。
まず1年次にアジア社会の動きを学ぶため、中国語、中国の近代史等を学び、1年次終了までに中国語検定3級合格を義務づけている。また中国人との付き合い方やマナー、生活習慣等、実践的なことも学ぶ。2年次後半には、メインプログラムである約半年間の中国留学とインターンシップを実施。そして3、4年次にはフォローアップを行い、4年間の集大成を一般公開する。
アジア夢カレッジ推進室の加藤伸吾部長は「夢カレ」について次のように語る。
『夢カレ』の最大の特徴は、学生情報センター他の協賛企業と共同でプログラムを開発し、実施していこうというものです。入学試験ではレポート・面接により選抜を行うのですが、その際にも各協賛企業に協力を要請します。
また、定期的に学生と企業が意見交換し合う場を設けています。中には1年次のうちから『ぜひうちの会社を受験してほしい』と企業からラブコールをもらう学生もいるほどです。
留学先に上海・北京ではなく、大連を選択したのは、治安や対日感情がとてもよいからです。万が一の留学中のトラブルには、過去の経験から充分な危機管理体制を整えています」
積極的な企業のアプローチから、夢カレ生への期待がどれだけ大きいかがうかがえる。この他、4年を通しての企業とのかかわりはさらに深い。
1年次には企業によるアジアビジネスについての講義や、国内企業へのフィールドワークを実施。3、4年次には企業の専門家によるアドバイスを受けながらの報告会や討論会を行い、研究成果をプレゼンする。
アドバイザーの情熱的指導で 学生をバックアップ
夢カレ生を支えるアドバイザーは大学の若手職員です。彼らは日常生活の相談に乗ったり、授業に入って先生と組んで学生を指導したり、留学の打合せ、資料作りをしたりと、膨大な量の準備を、通常の業務を抱えながら行っているのです」と加藤部長は言う。
このような万全の準備や充実した支援・指導体制は、留学希望の学生にとって大学選びの際にも重要な決め手となることは間違いない。「夢カレ」のプログラム自体が、休学ではなく卒業単位として認められているところも魅力の一つだろう。
社会ニーズを的確に反映する人材教育
現代の中国の価値観・労働観などを直接体験した夢カレ生は変化が激しい今後のグローバル社会とのかかわり方を自ら課題立て、答えを模索する力を身につけるという。
景気は回復傾向とはいえ、まだまだ厳しい就職戦線が続く昨今、単に留学したという「形」だけでは社会ニーズには応えられない。経済活動に密着した学びを受けた学生、自発的に行動し、リーダーシップがとれる学生がより求められることは言うまでもない。
「学生には中国を学んだ上で世界各国で仕事をし、対中国、対日本とのかかわりを築いていってほしい。また学校も中国留学にとどまらず、将来的にはベトナムなど東南アジアにもこのプログラムを拡げていきたいと思っています」(加藤部長)
ますます期待が膨らむ亜細亜大学「夢カレッジ」の今後に引き続き注目したい。
記事の内容は第12号(2005年5月15日発行)を抜粋したものです。