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拝啓大学殿~南山大学編~
往信

●学部内での転科等、進路変更は可能でしょうか?
●学生への就職支援態勢の充実を期待していますが、例えば学内でのダブルスクーリングなどの取組みは行われていますか?
●学生による授業評価を公表していただきたいのですが、いかがでしょうか?
(岐阜県立加納高等学校 武田晴好教諭)
●全国入試を実施されていますが、どういう学生を取りたいのか、その意図がわかりにくいのですが。
●学部、学科案内を含めた模擬授業を行っていただくことは可能でしょうか?
●貴大学の英語教育は全国随一というべきものでしょうが、それ以外の学部でも、全国区レベルの教育内容、実績を誇っていただきたい。具体的なビジョンはありますか?
(静岡県立浜松西高等学校 竹山喜章教諭)
●貴大学の講義内容、カリキュラムに対し、生徒からの評判は概ね良好です。ただし、総合政策学部のカリキュラムが、やや理解しづらいようです。生徒たちにわかりやすく説明するポイントはどのようなものでしょうか?
●海外留学に関して金銭面でのバックアップが不充分に感じられます。改善策はお考えでしょうか?
●入学手続延期手数料に対し、生徒から疑問の声が上がっています。これは必要なのでしょうか?
(愛知県立西春高等学校 江口誠二教諭)
返信~南山大学 副学長(教学担当)・総合政策学部教授 浜名優美
学生が目標を実現するための各種の制度を整備しています
まず、加納高等学校の武田先生のご質問ですが、大学内での転部・転科について、本学ではしっかりとした制度が整っています。
学科試験と小論文の試験を課し、一定の基準をクリアすれば、希望する学部、学科の2年次あるいは3年次に移ることができます。ただし、その基準は決して易しいものではなく、全員が希望通りに転部・転科できるとは限りません。
本年2月に実施した転部・転科試験では、2年生が18名受験して14名の合格、3年生が3名受験して1名合格という結果が出ており、平均して毎年10数名の学生が転部・転科している状況です。
次に、就職活動への支援態勢について、ダブルスクーリングそのものは学内にはありませんが、きめ細かな就職指導や資格取得のためのカリキュラム編成など、さまざまな方法で学生をバックアップしており、現在も高い就職率を維持しています。
いくつか具体例を挙げてみましょう。
まず、本学のホームページ上で、多数の卒業生の「就職活動体験記」を閲覧できるようになっています。これにより、先輩たちがどうやって就職活動に成功、あるいは失敗したのかがよくわかるなど、就職活動を進めるにあたって有効な資料として活用されています。
また、キャリア支援室の職員は、学生1人ひとりと面談をし、就職に関するサポートを行っており、学生からの評判も上々です。さらに、3年次の秋からはほぼ毎週にわたり、就職に関連する講座や、企業の人事担当者による説明会などを開催しており、就職に対する意識・意欲の向上や、必要な知識を得てもらうよう働きかけています。
就職に役立つ資格に関して、教員免許はもちろん、規定の単位を取得すれば、博物館学芸員、司書、学校図書館司書教諭の資格を取得できるカリキュラムを用意しています。この他、司法試験や公務員試験のための「法職特別課外講座」、税理士や会計士を目指す学生のための「会計士講座」など、資格取得を支援する講座もあります。
また、本学のエクステンション・カレッジでは、本年4月から公務員試験対策のための講座を開講しており、本学の学生は割引料金で受講することができます。このように、充実した支援態勢を整えておりますので、ご期待にお応えできるものと考えております。
西春高等学校の江口先生のご質問ですが、学生への支援の一環として、海外留学への金銭的なバックアップ態勢を整備しています。交流協定を結んでいる協定校同士の「交換留学」に関しては、留学先の大学の授業料が免除されます。大学の推薦を受けて留学する推薦留学などの制度では、申請があれば、南山大学の派遣留学奨学金が受けられます。
これ以外に、大学を休学して、学生が留学先を自由に選んで留学する場合でも、休学中は半期で5万円の在籍料のみを支払えばよいことになっており、従来よりも経済的負担は軽くなりました。ただし、交換留学などの制度による留学は、留学先の単位が本学の単位として認定されますが、休学して自主留学する場合は、本学の単位にはならないので、その点だけご留意いただきたいと思います。
全国入試で受験生の負担減を図っています
浜松西高等学校の竹山先生からのご質問ですが、本学が全国入試を実施している意図をご説明いたします。
本学では、北海道から九州まで、全国16カ所の試験会場で入学試験を行っています。
全国から広く学生を募集したいという考えのもとで、全国入試を実施していますが、実際には、東海3県から入学する学生が約九割を占めているのが現状です。ただ、受験生の方々は、通常さまざまな地域の複数の大学を受験します。
こうした状況のもとで、移動にかかる時間や交通費などの負担を少しでも軽減していただくためにも、全国入試制度は大いに役立っているものと考えています。例えば、東京の大学と本学の入試日が非常に接近している場合、東京に滞在しながら、長距離移動せずに両方の大学を受験できるというわけです。
入学手続延期手数料ですが、これは、合格者の方が、本学への入学資格を確保しながら、授業料等のお支払いを留保し、入学するかどうかの決定を延長される場合にお支払いいただくものです。この方法を選択された場合、先に全額を一括納入して入学を決定された方に比べて、どうしても事務処理の手続が増加します。結果的に大学側のコストが増大するという事情がありますので、この点についてはご理解を賜りたいと考えております。
情報開示や体験入学で受験生の理解を深めています
浜松西高等学校の竹山先生から、模擬授業についてご質問いただきました。
模擬授業は従来から実施しており、ご要請があれば、全国どこでも出向いてゆきますので、お気軽にお問合わせいただきたいと思います。この他、オープンキャンパスも毎年開催しており、キャンパス見学や相談コーナー、模擬授業など盛りだくさんの内容となっています。
さらに、昨年からは、「1日体験入学」という企画を始めました。これは、高校生に理解しやすいように内容をかみ砕いて行う模擬授業と違って、まったく平常通りの大学の授業を見学してもらいますので、大学の「生」の姿に触れていただくことができます。例えば、教授がどのような内容の専門的な講義をしているか、学生たちがどんな様子で授業に取り組んでいるかを、肌で感じてもらえるのです。
この他、大学から高校への情報提供に、本学は積極的に取り組んでおり、学生による授業評価の結果を始め、さまざまな情報を公開しています。学生たちが大学の授業を評価する制度については、授業評価を数百科目ごとに3つのカテゴリーに分けて、3年のローテーションで全科目を評価してもらっており、その結果を冊子にまとめています。
本学学生であれば、図書館や教務課、学生課で閲覧できますし、当然ながら、教員たちの授業内容改善にも活かされます。もちろん、高等学校側からご要望があれば、授業評価の冊子を進呈いたしますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
さらに本学ならではの取組みとしては、在籍する各教員がどういう研究を行い、どんな教育を目指しているのかをまとめた、『南山の先生』という冊子を制作しています。これをご覧いただければ、本学の教員たちが、研究や教育にどれだけ熱心に取り組んでいるかをご理解いただけると思います。
新ジャンルの学問に取り組み新たな一歩を踏み出しました
西春高等学校の江口先生からは、総合政策学部のカリキュラムが理解しにくいとのご指摘をいただきました。
私自身、総合政策学部の教授を務めていますが、種々の学問の要素が混在した新ジャンルの学部であり、一般的な認知度はまだ低いのが現状です。
この学部では、複雑化した社会のあらゆる問題にアプローチし、解決に向けた「政策」を立案・遂行できる人材育成を目的としています。例えば環境問題なら、科学的なデータだけでなく、各地域の文化的背景や国家間の利害関係、経済事情など、複雑に絡み合う多面的な要因を分析しなければ、解決策を見出すことはできないでしょう。
そのため総合政策学部では、多種多様な問題解決能力を身につけられるよう、独自のカリキュラムが組まれているのです。
また、充実した英語教育や国際教育が全国的に評価されているためか、本学には「文系の総合大学」というイメージがあります。しかし、理工系の「数理情報学部」にも、世界の学会で活躍するトップレベルの教員がそろっており、躍進が期待されています。総合政策学部も含め、より幅広い研究・教育に取り組んでおりますので、ぜひ注目していただきたいと思います。
「どんな研究をしているの?」「授業はどんな内容なの?」――そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ『南山の先生』をご一読ください。これを読めば、興味の分野はさらに深まるでしょうし、これまで興味のなかった分野にも新たに「ちょっと面白そう」という発見があるかもしれません。
記事の内容は第10号(2004年5月15日発行)を抜粋したものです。
- 国立大学法人化の意義と展望 (文部科学省高等教育局 清木 孝悦)
- 大学評価、学校環境、就職、受験、そしてメディア (財団法人 学生サポートセンター 理事長 北澤俊和)
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